Leiを繋ぎながらみつめたこと

 
ことばをつづることで うたうことで なにをてらしだすだろう
おもいださせるだろ
              2010 text : tamai emiko
 
 
 

たとえ 地球が あした 星屑になっても

たとえ 地球が あした 星屑になっても

また ふたたび 雫となり

この丘で 奏でよう

月光に たたずむ花 草海 ゆらぎ

メロディー 奏でる みつぶの雫

たとえ 地球が あした 星屑になっても、、


 
 
 
目の前の大きな樹を眺めていたら
雨が降りだした
今 あなたも雨に気づいていることでしょう
あ、、雨かと思っていることでしょう

遠くから雷が鳴りだして
今 あなたも雷の光る方を見上げていることでしょう

大きなせんだんの樹に 雷が落ちやしないかと 心配しながら
光る空を 見上げています

白いトタンの雫がぽつんと落ちる頃
やってくる誰かを待っている

通り過ぎる雨 途端に鳴きだす蝉
今 あなたも鳴きだした蝉に気づいていることでしょう
大きな樹の下では 1000匹もの蝉が鳴きだして
一瞬に吹いた大きな風が 1000粒もの雫を落とした

そんとき おおげさにはしゃいで 水たまりに足をすべらせて
あ~あとはきながら 
やってくる誰かを待っている


目の前の大きな樹を眺めていたら
でっかい雲が 顔をだした



 
この栴檀の木が大きくなったら
小さなオルガンを木陰にはこんで
二枝にわかれた幹と幹との間に
ウクレレを抱いた
あなたが座って
わたしはおぼつかない指で
けんばんを弾ませます

いっしょに奏でましょう
うたいましょう

お調子づいてきた
あなたのウクレレの終わりの合図は
わたしがかぶっている麦わら帽子を
あなたの頭にかぶせたら
これでエンドといたしましょう
なごりおしくも
また明日と

笑いましょう
うたいましょう

2010 8
 
 
 
丘の上の、海の家には、まだ海はなく
丘の上の、山の家には、まだ山はない

けれど、

悠々、風にまかせ、姿となる貝がらを、見つけることができる
側にある大木は、ざらざらとした樹皮をまとい、太くどっしりとしていて、
幹ほどの枝は、遠くまで青々させている

根元は、さらに丘の大地を四方に張り広げて、
すべてを強くしずかに包みこんでいるようだ
樹々が揺れ触れ合う音は、
波の音と同じだということに、もう気づいていて、
空の雲は、手を伸ばせば、すぐに手のとどく場所にあった

まだ海はなくとも、海の人がいる
山はなくとも、山の人がいる


海の人が行き交い
山の人が行き交う

2009 8





草の生い茂る小道を

大またで

歩いてゆく

雨は弱まる気配がない

腕の中の山盛りのゴーヤが飛び出した

雨がつくる水皿に

彩りよく

盛られた

ゴーヤ





巨大な茎から大きな葉をひろげ
太い根が、大地をしめあげる
とげのある葉
はびこり守りを固めた、このアザミは
容易に寄せつけようとはしなかった
離れて眺めていると
神秘的な調べが聞こえて来た
ついて来るように誘っているのだろうか
もしついて行ったのであれば
待ちうけているのはなんなのだろう
すばらしい発見なのか
おそろしい危険なのか

小さな庭でわたしは蟻になって大冒険する

 
 

丘のいちばんでっかい木に


ジャンプして飛びついた


1000匹のセミが


四方八方に


飛び散った


セミジャングル


 
 
 
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Leiを繋ぎながらみつめたこと

 
ことばをつづることで うたうことで なにをてらしだすだろう
おもいださせるだろ
              2010 text : tamai emiko
 
 
 

たとえ 地球が あした 星屑になっても

たとえ 地球が あした 星屑になっても

また ふたたび 雫となり

この丘で 奏でよう

月光に たたずむ花 草海 ゆらぎ

メロディー 奏でる みつぶの雫

たとえ 地球が あした 星屑になっても、、


 
 
 
目の前の大きな樹を眺めていたら
雨が降りだした
今 あなたも雨に気づいていることでしょう
あ、、雨かと思っていることでしょう

遠くから雷が鳴りだして
今 あなたも雷の光る方を見上げていることでしょう

大きなせんだんの樹に 雷が落ちやしないかと 心配しながら
光る空を 見上げています

白いトタンの雫がぽつんと落ちる頃
やってくる誰かを待っている

通り過ぎる雨 途端に鳴きだす蝉
今 あなたも鳴きだした蝉に気づいていることでしょう
大きな樹の下では 1000匹もの蝉が鳴きだして
一瞬に吹いた大きな風が 1000粒もの雫を落とした

そんとき おおげさにはしゃいで 水たまりに足をすべらせて
あ~あとはきながら 
やってくる誰かを待っている


目の前の大きな樹を眺めていたら
でっかい雲が 顔をだした



 
この栴檀の木が大きくなったら
小さなオルガンを木陰にはこんで
二枝にわかれた幹と幹との間に
ウクレレを抱いた
あなたが座って
わたしはおぼつかない指で
けんばんを弾ませます

いっしょに奏でましょう
うたいましょう

お調子づいてきた
あなたのウクレレの終わりの合図は
わたしがかぶっている麦わら帽子を
あなたの頭にかぶせたら
これでエンドといたしましょう
なごりおしくも
また明日と

笑いましょう
うたいましょう

2010 8
 
 
 
丘の上の、海の家には、まだ海はなく
丘の上の、山の家には、まだ山はない

けれど、

悠々、風にまかせ、姿となる貝がらを、見つけることができる
側にある大木は、ざらざらとした樹皮をまとい、太くどっしりとしていて、
幹ほどの枝は、遠くまで青々させている

根元は、さらに丘の大地を四方に張り広げて、
すべてを強くしずかに包みこんでいるようだ
樹々が揺れ触れ合う音は、
波の音と同じだということに、もう気づいていて、
空の雲は、手を伸ばせば、すぐに手のとどく場所にあった

まだ海はなくとも、海の人がいる
山はなくとも、山の人がいる


海の人が行き交い
山の人が行き交う

2009 8





草の生い茂る小道を

大またで

歩いてゆく

雨は弱まる気配がない

腕の中の山盛りのゴーヤが飛び出した

雨がつくる水皿に

彩りよく

盛られた

ゴーヤ





巨大な茎から大きな葉をひろげ
太い根が、大地をしめあげる
とげのある葉
はびこり守りを固めた、このアザミは
容易に寄せつけようとはしなかった
離れて眺めていると
神秘的な調べが聞こえて来た
ついて来るように誘っているのだろうか
もしついて行ったのであれば
待ちうけているのはなんなのだろう
すばらしい発見なのか
おそろしい危険なのか

小さな庭でわたしは蟻になって大冒険する

 
 

丘のいちばんでっかい木に


ジャンプして飛びついた


1000匹のセミが


四方八方に


飛び散った


セミジャングル


 
 
 
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